長年使っている Ender 3 Pro ですが、気が付けばいろいろな改造をしてきました。
「最初から新しい機種を買った方が安かったんじゃないか?」と思う瞬間もありますが、自分で少しずつ手を入れていくのもこの機種の楽しさだと思っています。
今回はこれまでに行った改造の内容や、実際に使ってみて感じたことを忘備録としてまとめてみます。
もくじ
①Z軸のダブルモーター化
まず最初に行ったのがZ軸のダブルモーター化です。
AliExpressで販売されているダブルZ軸キットを利用し、片側しかなかったリードスクリューを両側へ追加しました。
導入した理由は単純で、X軸ガントリーの傾き対策です。
Ender 3 Proは片側だけで支える構造なので、どうしても反対側が少し気になるんですよね。
実際に取り付けてみた結果ですが……
正直なところ、劇的な変化は感じませんでした。
もちろん精神衛生上は良いですし、「両側で支えているから安心感がある」というメリットはあります。ただ、目に見えて印刷品質が向上したかと言われると、私の環境ではそこまででもありませんでした。
②Fly Gemini と Fly TFT V1 の導入
次に行ったのが制御基板の交換です。
Mellow社のFly Geminiを導入し、それに合わせてKlipper環境へ移行しました。また同時に3.5インチタッチパネルのFly TFT V1も取り付けています。フレームやヒートベッド、電源についてはEnder 3 Pro純正のものをそのまま流用しました。 [Ender 3 Pr…Laboratory | PDF]
結果から言うと、この改造はかなり満足度が高かったです。
というよりFly Geminiそのものよりも、Klipperを導入したことによる恩恵が大きかったですね。(参考にさせていただいたサイト様 FLY-GeminiでEnder-3 V2にKlipper導入、FLY Docs)
一番便利になったのはパソコンから直接印刷できるようになったことです。
Ender 3 Proを純正状態で使っていた頃は、スライサーで作ったデータをmicroSDカードへコピーして本体へ持っていく必要がありました。
この作業、意外と面倒なんですよね。
Klipper環境になってからはネットワーク経由で直接データを送れるようになり、「印刷したいな」と思ったらそのまま送信できます。おかげで以前より3Dプリンターの稼働率はかなり上がりました。電気代もそれなりに上がりましたが……。(電気代かさむ( ^ω^)・・・
私が使っているFly Geminiは初期ロットに近いモデルなので現在は有線LANで運用しています。(V1かV1.1とか)
Wi-Fi子機も試したのですが、なぜか異常に発熱してしまい少し怖かったので結局有線に戻しました。
印刷品質についても細かな設定ができるようになり、純正状態よりかなり追い込めるようになりました。ただし、魔法みたいに何でも速く印刷できるようになるわけではありません。
結局のところEnder 3 Proの機構そのものは変わらないので、本体の限界はあります。それでも純正と比べると間違いなく快適になりました。
KlipperといえばInput Shaperも試しました。
かなり期待していたのですが、私の環境では「劇的な改善」とまではいきませんでした。CoreXY機のような構造だともっと効果が出るのかもしれません
Fly TFT V1について
Fly TFTについては導入して良かったと思っています。
ただ、私の場合は意外とパソコン側から操作することの方が多いので「絶対必要か」と聞かれると微妙なところです。Fly TFT V1の導入にあたってはFLY Docsを参考にさせていただきました(久しぶりに開いたらページが更新されてて別のページかと思いました)
Fly TFTに関しては上部メニューの製品資料開いたあとの左メニュー無いTFT屏幕が該当します。(自動翻訳なので言葉が変です)
FLY Docsは一応公式ドキュメントにあたるかと思われますのでMellow社の製品を利用する場合は一度見ておく事をお勧めします。
それでもタッチパネルなので操作は直感的ですし、XYZ軸の移動もやりやすくなりました。
またスライサー側の設定によっては完成イメージを表示できるので、ちょっと見た目も格好良くなります。
個人的に一番助かっているのは印刷停止機能です。
印刷失敗に気付くのは大抵プリンターの前にいる時なので、その場でタッチして停止できるのは案外便利なんですよね。結果としてはFly Geminiを導入したからというよりKlipperを導入したことによる恩恵が多かったです。
ちなみに将来的に自作3Dプリンターも作ってみたいと思っていたので、MellowのFLY-RPFMEXも購入してあります。
ただこちらは今のところ完全に積みパーツです。いつか使う予定です。たぶん。
物としてはUSB接続にて既存ボード(私の場合はFlyGemini)を
拡張するためのボードです。制御できるモーターの数やファンの数を拡張することができます。
③BLtouchの導入
これは最初にかなり苦労した改造です。
現在では問題なく使えていますが、最初の導入は完全に失敗でした。
当時は信頼できるメーカー製ではなく中華の安価な互換品を購入し、自分で設計したマウントを使って取り付けていました。
ところが測定するたびに高さが変わるんです。
昨日は正常だったのに今日は変わる。
調整したはずなのにまた変わる。
という状態が続いてしまい、まともに運用できませんでした。
今思えば原因は二つです。
一つは安価な互換品を使ったこと。
もう一つは当時の私の設計技術や3Dプリント精度がまだ未熟だったことです。
結局この時は調整に疲れてしまい、Z軸エンドストップを物理スイッチへ戻しました。
もしこれからBLTouchを導入するのであれば、多少高くても純正品か信頼できるメーカー製のものを選ぶことをおすすめします。
後に私はCreality社製のエクストルーダーのSprite Extruder Proを購入する際にセットでCreality社製のCLtouchを購入し使用しています。)
④Sprite Extruder Pro の導入
現状で一番満足している改造がこれかもしれません。
Creality製のSprite Extruder Proへの交換です。
こちらはEnder 3 Proを出しているメーカーと同じCrealityのエクストルーダーです。
Ender 3 Pro純正のボーデン式とは異なり、フィラメント送り機構をヘッド部分へ搭載したダイレクトドライブ方式になっています。
さらにオールメタル構造のため最大300℃まで加熱可能です。
私自身は300℃が必要になるようなフィラメントはほとんど使っていないのですが
それでも将来的にナイロン系などを試す可能性を考えると魅力的でしたし、オールメタル構造の安心感もあって購入を決めました。
また購入したキットにはCreality製BLTouchのCLTouchも付属していました。
専用マウントも最初から付いているので取付作業は非常に楽でした。やはり純正同士は相性を気にしなくて良いのが助かります。
導入前に少し心配していたのは重量です。
ダイレクトドライブ方式ではフィラメント送りモーターまでヘッド側へ移動するため、その分重量が増えます。
Ender 3 Proは元々ボーデン式を前提とした設計なので、振動や歪みが増えるのではないかと思っていました。
結果としては特に大きな問題は発生していません。
もちろん機種によっては影響が出る可能性もありますが、少なくとも私の環境では十分実用的でした。
フィラメントセンサーの話
Sprite Extruder Proと同時にBIGTREETECHのインテリジェントフィラメントセンサーも購入しました。
フィラメント切れだけでなく途中で折れた場合も検知できる便利な商品です。
かなり期待していたのですが……
なぜか私の環境では全く正常に動作しませんでした。
接続するとフィラメントが入っていても印刷が停止してしまいます。
配線なのか設定なのか本体不良なのか、原因は結局分からないままです。(当時の私の知識では解決できませんでした。)
ですのでその後はセンサーとしてではなく、フィラメントガイドとして活躍しています。
本来の用途では使えていませんが、フィラメントの取り回しは良くなったので完全に無駄になったわけではありません。いつか再購入してリベンジしたいところです。
最後に
以上が現在のEnder 3 Proの改造内容になります。
振り返ってみると、必ずしも全ての改造が成功したわけではありません。
むしろ失敗した改造や遠回りした改造も結構あります。
それでも試行錯誤しながら一つずつ改善していくのは楽しいですし、それが3Dプリンターの醍醐味でもあると思っています。
もし今から「どれが一番おすすめ?」と聞かれたら、
- Klipper環境への移行
- Sprite Extruder Proへの交換
- 信頼できるBLTouchの導入
このあたりをまず勧めると思います。
今後また何か改造したり、新しいパーツを試したりしたら追記していこうと思います。
追記
その後、新たに進めている Voron Trident 350mm Z軸4軸カスタム機 の製作にあたり、Ender 3 Proで使用していた Creality Sprite Extruder Pro を移植しました。
移植自体は問題なく行えたのですが、Voron側への取り付けで発生したマウントの問題を解決するため、Sprite Extruder Proに付属していた純正マウントを加工してしまい
現時点ではEnder 3 Proへ簡単に戻せない状態となっており、一時的に運用を停止しています。
気付けばEnder 3 Proを速くするために買ったパーツが、今度はVoronを作るための部品になっていました。
しばらくは休眠状態になりますが、この機体にはいろいろ学ばせてもらったので、現在はVoronにもStealth Burnerを導入しているのでEnder 3 Proについても新たなエクストルーダーを導入するか、Sprite Extruder Pro用の加工してしまったマウントを再作成する形で復活させたいと考えています。
以上!Artsでした。

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